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ミステリ翻訳入門  アルク翻訳レッスン・シリーズ [出版翻訳]

 ミステリ翻訳入門 アルク翻訳レッスン・シリーズ [出版翻訳]

価格:¥ 1,890
納期:通常24時間以内に発送

人気ランキング : 99,997位
定価 : ¥ 1,890
販売元 : アルク
発売日 : 2002-06-21

ユニークな翻訳指南書

現役翻訳家の手になる翻訳指南書だが、花も実もある充実した著作である。従来の教科書的翻訳演習に終始した単なるノウハウ書ではない。著者の翻訳に対する信念や実作業上でのエピソードを織り交ぜつつ、本人の訳書から実例を引いて解説をしている。筆者の翻訳に取り組む姿勢は、真摯でありながら柔軟で、訳出の実例解説は無論見事な出来だが、その実践者としての翻訳論を読むだけでも、非常に興味深く、楽しめる内容と価値を備えている。また、翻訳小説と言えば、一般には「生硬な日本語のぎこちない小説」というイメージが強いが、筆者の訳出例に当たると、それは単なる偏見であるのが実感せられ、また、そうした既製観念を打破する訳書を次々と世に送り出している著者の揺るぎ無い実力、言葉の力を見せつけられる。特筆すべきは、「外国語の小説を日本語に翻訳するなら、その翻訳もまた、立派な日本語の小説の体を成していなければならない」という著者の確固たる信念である。最近の訳出作品で言えば、厳密に選り抜かれ研ぎ澄まされた日本語と、徹底的に感傷を排した緻密で硬質な文章が、訳文の日本語世界を文学の域まで昇華せしめている、「パナマの仕立屋」(ジョン・ル・カレ/講談社)。 悪夢の連鎖のようなイメージの輻湊する、毒気と悪罵に満ちた暴力小説を、実はその底部に流れる救済への祈りと叙情までを巧みにに訳文に掬い取り、型破りの荒々しい日本語で訳し切った、「神は銃弾」(ボストン・テラン/文春文庫)、など著者の精神を実践した訳書を見るに付け、その主張には深く首肯させられる。やはり、優秀な現役翻訳者ならではの、他に類を見ない見事な翻訳指南書である。ただ、出来れば巻末に著者が翻訳した代表的な作品だけでもよいから、読者へのレファランスとして、ご本人の手になる訳書の作品リストを入れて貰えていたなら、もう外に言う事がない。

翻訳の学習が愉しくなります

とにかく、翻訳学習者には役立つ本です。どんな辞書を揃えればいいかといった基本的なことから、インターネットの検索サイト、果ては英国とニューヨークの警察組織についてまで教えてくれます。「自分の思うままに訳し、翻訳を愉しむ」ことが重要という著者の考えには共感できますし、何よりも文章がおもしろくてあっという間に読めてしまいます。最後に短篇のミステリを丸ごと訳そうという章があり、これは挑戦してみたらものすごく勉強になると思います。ところどころにはさまっているエッセイもおもしろくてグッド。

『ミステリ翻訳入門』を読んで

『ミステリ翻訳入門』を読んで
 読み終えて、近ごろ面白い本を読んだという印象をもった。正直に言うと、入門書としてはいささか歯ごたえがありすぎて、うまく消化できそうもないところもあったけれど、ミステリに限らず、多少とも翻訳に興味をもっている人間にとって、本書は必読の一書と言っても過言ではない。
 構成にも工夫がこらされている。著者が最初に述べているアドヴァイスにしたがって、まがりなりにも試訳をしながら読みすすめ、その後のコメントを読むと、随所に目からウロコが落ちるような指摘がある。ふと気がつけば机のまわりはウロコだらけ---と言うのはちと大げさすぎるにしても。
 それぞれの章の合間に配された「ほんやく万感」が、これまた読んで楽しい小エッセイになっていて、いろいろと参考にもなる。
 ともあれ、当分の間は本書を座右に置き、参考書よろしく読み返しながら、勉強を続けたいと思った。
                       (翻訳歴二年 S・H)

名翻訳家による個人講義

著者は,売れっ子翻訳家の田口俊樹氏。殺し屋ケラー・シリーズに代表されるハードボイルド・ミステリー作家ローレンス・ブロックなどの名訳で知られる。主として,気の利いた例文を元に,翻訳のポイントを解説するという参考書形式になっている。それに加え,翻訳のプロとしての氏の日常を垣間見ることのできる,軽妙なエッセイの数々も掲載されていて,読み物としても楽しめる。ミステリに焦点がしぼられているが,翻訳全般に興味のある全ての人にお勧め。

立体的な入門書

翻訳物が好きで、とりわけ田口さんの作品のファンです。
翻訳の仕事にも興味を持っているので、本書は迷わず購入しました。
190頁弱でありながら、誌上演習のほか、翻訳業界のしくみや
あとがきの書き方、参考書などの周辺情報に、各誌に発表された
エッセイまで盛り込まれた中身の濃い一冊です。
演習の解説もそれ以外の文章も簡潔明瞭でわかりやすく、しかも
示唆に富んでいるので、最後まで読み終えたときに翻訳の「全体像」が
立体的に立ち上がってくるような気がしました。
語り口は軽妙でユーモアたっぷり。でも、奥深い。言葉の端々から、
翻訳に対する著者の愛情や哲学が伝わってくるのもまたいいです。
ちなみに、私は「意訳とは美術で言えばデッサンのようなもの」という
くだりに感銘を受けました。
翻訳はもちろん、広く英語に関心のある人におすすめします。


売れ筋商品
このページの情報は
2006年4月16日22時3分
時点のものです。

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